人工知能・データ分析コンサルティングの進め方

コンサルタントを雇うと、何が得られるのか?自社でもデータ分析部隊やデータサイエンティストがいるけれど、何が違うのか?という点を、これまでの弊社コンサルティングの取組からご紹介します。人工知能・データ分析の進め方も、参考にしていただければと思います。

弊社では、機械学習・人工知能モデルの活用や、データ分析の活用コンサルティングも行っております。これまでに、製造業・金融・通信・広告代理店など、幅広い業界での機械学習・人工知能モデルの構築と運用やデータ分析のコンサルティングを行っています。

クライアントにとって分かりにくいことは、コンサルタントを雇っても何が得られるのかわからない、自社にもデータ分析部隊やデータサイエンティストはいるけれど、何が違うの?ということかと思います。

データ分析について方法はわかったけれど、では具体的にどう進めていけば良いのか?人工知能や機械学習の技術をどうビジネスに応用していくのか?という点も含めてご理解いただくべく、弊社が実際に担当したコンサルティング案件の一部をご紹介します。なお、紹介にあたっては、実際に経験した複数パターンをもとに、架空の案件として記述しています。架空ではありますが、内容は全て、弊社が担当・経験したものになります。また、1つの正解パターンがあるわけではありませんので、クライアントの状況などによって必ずしも同じパターンで進めるわけではありません

事例として、案件を2つご紹介します。案件1では大手企業の機械学習・人工知能モデルの構築を、案件2ではビッグデータの活用や分析結果の現場への落とし込みの支援を、それぞれ行いました。

A社さま 機械学習・人工知能の活用コンサルティング

超大規模な顧客データを抱える大手企業A社からのご依頼。1日で数テラバイトの様々な種類のデータ(顧客データやセンシングデータなど)がたまるが、人工知能や機械学習のモデルを活用してもっとビジネスを成長させたい、という事業部長さまからのご依頼。売上規模は数兆円以上の大手企業の部長です。

初回面談:依頼

コンサルティングの依頼に至った経緯や、会社・事業部の状況、いまの課題をお伺いします。また、人工知能・機械学習・データ分析の環境、人材、やりたいことなども合わせてお伺いします。

その上で、弊社が貢献できそうなポイントを提案します。必要に応じて提案書を作成し、コンサルティングのスコープ(目的)とスケジュール、予算を提示します。

この時に、弊社で分析を実施するのか、貴社で分析を実施するのか、によって予算が大きく異なります。弊社では、貴社内で分析を行うことをご提案させて頂くことが多いです。これは、費用を抑えるというよりも、貴社のプロパー人材が分析を行うことにより、社内の分析人材の育成にも貢献でき、プロジェクト終了後も自社内で分析を進めることができるようになるからです。実際に手を動かし課題解決を目指すことが、分析人材の育成には何より効果的です。

予算については、金額感をご提示いただくか、内容をもとに弊社で見積りいたします。契約書・NDAの締結後、プロジェクトスタートとなります。

1回目訪問:ヒアリング

担当となる部署だけでなく、今回のプロジェクトに関連する関係者を招集いただき、いまの事業上の課題や人工知能・機械学習への理解度、データ分析環境などについてお伺いします。この時、人工知能・機械学習に対して期待することも合わせてお伺いします。

また、必要な範囲で、現状で扱っているデータやこれまでに取り組んできた分析内容を実際に見せていただきます。特に過去分析内容やデータ項目は把握に時間がかかります。この案件ではデータ数も膨大であったため、丸1日会議室をお借りし、実際にデータ分析を行っている担当者から、データの内容についてレクチャーをして頂く時間を設けました。また、その後もデータ内容について、メール・電話などで何回かやりとりを行いました。

2回目訪問:データ分析戦略の整理

ヒアリングの内容をもとに、機械学習・人工知能モデルで貢献できそうなことと、モデル構築に向けたステップを整理します。実際に機械学習・人工知能モデルを作るにあたり、何が足りないかを弊社で整理した上で、内容を共有させて頂くセッションの時間を設けました。

この時は、機械学習・人工知能モデルに必要な教師データ(訓練データ)が質量ともに十分でなかったので、まずは教師データの必要性をしっかりと理解していただくこと、教師データを収集する仕組みを業務フローのなかに組み込む方法を提案しました。

教師データを収集する仕組みについては、多少時間はかかるものの可能とのことでしたので、実際にデータを収集した上で、モデル構築を検討することになりました。

3回目訪問:機械学習・人工知能モデル構築

実際に教師データを収集する仕組みを実行していただき、収集されたデータから人工知能・機械学習モデルを構築します。クライアントチームの人工知能・機械学習モデル構築をできるエンジニアと協力し、構築方法を議論しながら進めます。

エンジニアに十分な経験がない場合は、技術的な内容もサポートします。コードの書き方、検証の方法、分析環境の構築、構築するモデルの選定なども含まれます。

また、エンジニア以外の方向けに、構築したモデルがどういう意味を持つのか、検証結果の指標(精度指標など)はどのように読むのか、専門的な内容も含めて説明のサポートも行いました。内部での結果の共有は、基本的には全て自社内で実施したいものの、外部専門家としてサポートしてほしいとのことでしたので、説明の場に同席させていただき、補足説明をさせていただきました。

今回は、人工知能モデルでは計算に時間がかかりすぎるため、機械学習モデルを活用することにしました。実際は、計算速度や求める精度などから、運用するモデルを決定します。

4回目:PDCAサイクルの運用

実際にモデルが構築できて、精度が確認できたら、テスト運用にはいります。高い精度が期待できそうな機械学習・人工知能モデルが出来たからといっても、いきなり大規模に運用するのではなく、段階的に運用をしていきます。機械学習・人工知能モデルは実際に運用をすると予期せぬ結果をもたらすこともあるため、段階的に運用することで、結果が出なかった場合もフォローできるように進めます。

この案件では、テスト運用の結果、ベンチマークと比較して十数倍の成約率が認められました。費用対効果を試算したところ効果がかなり大きいと認められたため、対象範囲を拡大して運用することとなりました。

B社さま ビッグデータ分析の活用コンサルティング

複数エリアに店舗を展開されているB社では、これまでにアンケートやWifiデータを活用した分析レポートなど、様々な情報を収集していたものの、社内で十分に活用できていないのでは、と考えており、弊社へコンサルティングを依頼されました。

初回訪問:依頼

コンサルティングの依頼に至った経緯や、法人の状況、事業上の課題をお伺いします。また、これまでに収集したデータの概要や、やりたいことなども合わせてお伺いします。

お話を伺った結果、既にビッグデータ分析レポートを提供する会社への分析の発注が済んでいることや、クライアント内部の人材育成も視野に入れたいとのご要望があり、ビッグデータ分析の進め方やデータ収集の方法を含めたアドバイザー形式で弊社を活用いただくことになりました。

また、プロジェクトを進める中で、今後もスコープが広がる可能性が高かったため、明確にスコープを決めるプロジェクト形式ではなく、定期的に訪問・半常駐を行い、時間でお支払い頂く形式でスタートしました。

コンサルティング1: スコープ整理

これまでのデータ分析に関する取り組み状況や分析結果などを全て集めていただき、共有していただきました。その上で、事業上の課題や、活用が十分でないと思っているポイントをお伺いしました。

マーケティング活動に必要なデータや、それらを収集する仕組みが整っていないと判断し、そもそも必要なデータを収集する仕組みを提案、クライアント企業の担当者中心に動いていただくことになりました。

コンサルティング2: 分析アドバイザー

クライアントが外部コンサルタントに依頼しているビッグデータ分析について、そもそもどんなことが分析可能なのかという点をアドバイスしながら、どういう情報があれば役に立てるか、整理を行いました。

分析レポートを提供するコンサルタントとの打ち合わせにも同席をさせていただき、必要に応じて発注者内部の意向を整理して伝え、分析方針を整理、またその結果の解釈や活用方法などもクライアント担当者と議論しながら決定してきました。

合わせて、定期的に行っている消費者のアンケートや各種市場調査についても、不足している点や十分でない点が見られたので、改善方法をアドバイスし、必要な情報を収集する取り組みを開始していただきました。

コンサルティング3: マーケティング活動への展開

ビッグデータ分析レポートや新たに収集した消費者データの分析結果を活用すべく、実際に営業店舗への分析内容の説明や、次にとるべきアクションプランの提案などを行いました。

現場へ落とし込む作業においては、現場担当者が自分自身の経験と勘を信じているところもあり、担当者にとっても「それは知らなかった!」という新たな発見を見つけることが必要になります。個別訪問やワークショップなど、個別の状況に合わせて、どのように現場担当者と連携するかをクライアントと相談しながら、決定していきます。

その他、コンサルティング課題への対応について

以上、弊社を活用した機械学習・人工知能の活用コンサルティングの事例をご紹介しました。この方法に限らず、自社の状況やデータ分析の活用度合いによって、プロジェクトの内容は全く異なります。実際にデータ分析の習熟度合いが低い場合は、技術的な研修から入ることもあります。通常は、初回ご相談を頂いた段階で、状況をお伺いしながら、弊社がご支援できそうかどうかを含めてご相談し、話し合いながら決めることとなります。

また、より技術的な課題(例えば、画像解析モデルの精度をより高めたい、開発したモデルを小型マイコンに搭載したい、人工知能モデルの結果を返す速度を早めたい、ドローンを飛ばしてセンサーデータを収集したいなど)に対しては、弊社もしくは要素技術を持つ弊社のパートナー企業と連携して、プロジェクトを組成します。

こうした技術的な課題が強いプロジェクトでは、目指すゴールや成果がすぐに得られるものではないことも多いです。この場合は、弊社がリードして段階的にゴールを定義し、実現可能なレベルにブレークダウンすることで、一歩一歩成果を達成する道筋を明らかにします。その上で、必要な要素技術を持った企業との連携を行います。場合によっては、技術力を持ったベンチャー企業に一部研究開発をサポートして頂くことも想定します。

技術的な課題が中心の案件は、必要な対応がケースバイケースであることも多いため、NDAを結んだ上で、詳細をお伺いしながら進め方をご提案することも可能です。このような場合でも、まずは一度ご相談を頂くこととなります。



弊社では、データ分析や人工知能の活用に関するお問合せを随時受付けております。
弊社へのお問合せは info _at_ datastrategy.jp までお願いいたします。

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